東京オリンピックのサポーター契約をめぐる贈収賄事件でKADOKAWAの角川歴彦会長が2022年9月14日逮捕されました。
KADOKAWAはスポンサー料として2.8億、選定される賄賂として7600万円として支払ったと報道されていますが、どんなメリットのためにそこまでしたのでしょうか。
- 東京オリンピック汚職事件で角川会長が逮捕
- 東京オリンピックサポーター契約によるメリット
- KADOKAWAの契約メリット公式ガイドは赤字だった
東京オリンピック汚職事件で角川会長が逮捕
その後、2022年8月17日同じくサポーターである「AOKIホールディングス」の贈賄事件で関係者が逮捕されました。
その後2022年9月14日には角川会長も贈賄容疑で逮捕。
東京オリンピックサポーター契約の選定を有利になるよう働きかけ大会組織委員会元理事の高橋容疑者に謝礼金として渡したと報じられています。
その金額は約7600万円(立件の対象は、3年の時効が経過してない約6900万円のみ)!
東京オリンピック汚職事件の時系列
- 2014年6月:高橋容疑者が大会組織委員会理事に就任
- 2021年7月~9月:東京オリンピック・パラリンピック開催
- 2022年8月17日:受託収賄容疑で高橋容疑者、贈賄容疑で「AOKIホールディングス」前会長など3人を逮捕
- 2022年9月6日:贈賄容疑でKADOKAWAの元専務芳原世幸容疑者と担当室長だった馬庭教二容疑者を逮捕。
- 同日:受託収賄容疑で高橋容疑者を再逮捕。
- 同日:受託収賄容疑でコモンズ2代表の深見和政容疑者を逮捕。
- 2022年9月14日:贈賄容疑でKADOKAWAの角川歴彦容疑者会長を逮捕。
東京オリンピックスポンサー契約によるメリット
東京オリンピック・パラリンピックのサポーターは4種のランクに分けられています。
トップのワールドワイドオリンピックパートナー世界中の企業が契約で年間の契約料は25億~30億円と推定されているようです。(公式では非公開)
その中、KADOKAWAはオフィシャルサポーターとして契約として2億8000万円。(公式では非公開)
KADOKAWAのメリットは公式ガイドの出版権
KADOKAWAのメリットはなんといっても、公式書籍の出版権です。
1.公式ライセンス商品オフィシャルブック
(引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/322011000467/)
2.公式ガイドブック
(引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/322012000221/)
3.公式プログラム
(引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/322012000215/)
4.ザ・テレビジョン増刊テレビ&配信観戦オフィシャルブック
(引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/322103000235/)
5.公式ガイドブック ジュニア
(引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/322104000885/)
6.公式競技図鑑
(引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/322104000886/)
7.パラリンピック開会式公式プログラム
(引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/322103001691/)
8.公式記録集
(引用:https://www.kadokawa.co.jp/product/322012000219/)
ちなみに、文春の報道によるとKADOKAWAの競合出版社として講談社もいたそうです。
ただ、組織委員会会長の森喜朗さんが「FRIDAY(講談社)」により過去にスキャンダルを報じられたことがあり、講談社を拒絶。
結果的に、KADOKAWA一社が出版社枠のスポンサーに選定されたようです。
出版権以外のメリットはあったの?
ほかのメリットとしては、
- ブランドイメージを高められる
- 全世界に中継され、世界中の人に向けて会社を宣伝できる
- 消費者にアピールすることで知名度が上がる
- オリンピックに協力したというKADOKAWAの実績となる
- スポンサーになる資金力があるとアピールできる
- 顧客や取引先からの好感度も上がり、信頼を得られる
- コネができ、将来へのビジネスチャンスが広がる可能性も
- 何度もメディアに取り上げられることで、注目を集められる
- 社会貢献につながり、大きな名誉になる
こういったものがあげられます。
4年に1回のオリンピックを自国でやることはそうあることではないので、大きなビジネスチャンスになりますね。
KADOKAWAは賄賂に見合った利益はあった?
「KADOKAWA」のメリットがあったのは、ガイドブックや公式記録集など五輪関連商品を出したことで、図書館に置かれたりするなど確定。
しかし、「単体で見たらスポンサー料や賄賂に見合った利益は出ていない。」とKADOKAWA社員が日刊ゲンダイで答えています。
オリンピック公式ガイドブックは印刷したものの延期の影響で赤字、発売しても社内に山積み状態だったそうです。
「効果もわからないオリンピックのスポンサー費に2億8000万円、賄賂で7600万払って結局逮捕者が出ただけなんて……」(KADOKAWA社員)
引用:2022年9月10日文春オンライン
コロナの影響もあり赤字だった上、1年後に汚職事件の発覚。
会長、元専務、元担当室長の3人の逮捕により、ブランドイメージを上げるはずがイメージダウンとなってしまいました。
「世間に汚名が知れ渡るなど、結果的に五輪スポンサーになったことによるデメリットのほうがはるかに大きい」(KADOKAWA社員)
KADOKAWAと同じくスポンサー契約した企業は多くあり、今後の続報にも注目を集めています。